いい面を見る時に大切なこと

💖前野隆司著「実戦 ポジティブ心理学 幸せのサイエンス」P84より ※画像は本文とは関係ありません。
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感情に働きかけるストレス・コーピング

ストレスの要因や、ストレスがもたらす感情に働きかけて、ストレスを除去したり緩和したりすることをストレス・コーピングといいます。コーピング(coping)は、問題に対処する、切り抜けるという意味のcopeに由来する言葉で、ポジティブ心理学の重要単語の1つです。
私がお勧めするのは、ストレスとなる環境そのものを変えるのではなく、ストレス要因がもたらす不快な感情を軽減するために、ものごとのいい面を見るようにしたり、気晴らしをしたりするストレス・コーピング法です。環境を変えるのは大変ですが、視点を変えることは比較的容易だからです。
ものごとのいい面を見るとは、どういうことでしょうか。たとえば、紙の書類で処理していた仕事がすべてパソコンでの仕事に置き換わったとしましょう。するとすべての書類をパソコンで作成しなければならず、慣れない環境にストレスを感じるようになります。このとき、今まで悪い面しか見ていなかったためにストレスを感じたのだから、いい面を探し出してみよう、と考え方を変えるわけです。
紙の書類からパソコンの書類に変わったことは、新しいスキルを得るチャンスだと考えることもできますし、パソコンが得意な社員とのコミュニケーションのきっかけともなります。もちろん、長期的にみると仕事の効率化にもなります。
このようにいい面を見ることは、これまでの認知に対する再評価になり、ストレス軽減につながります。
ただし、注意すべき点があります。いい面をただ表面的に見て「こうなんだ、だからしようがない」と自分に言い聞かせることは、自我を抑える環境に身を置くことになり、さらなるストレスにつながることもあるということ。実は、ものごとのいい面を見るというやり方は、自分が本当に納得した上でなければ、ストレス軽減にはなりません。
(後略)

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出典:前野隆司著「実戦 ポジティブ心理学 幸せのサイエンス」(株式会社PHP研究所)
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