できるだけ多くの人から、できるだけ多くの話を聴く
💖松下幸之助著「続・道をひらく」P164より ※画像は本文とは関係ありません。
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耳を傾ける
よく聴こうと思えば、自然に身体が前に出る。耳を傾ける。耳を傾ければ、一言一句がシンシンと胸にしみわたって言外の言すらも、聴こえる思いがする。
だから、人の言葉が、わが身の血となる。肉となる。血となり肉となって、心ゆたかに更に新しい知恵がわく。
人の言に耳を傾けない態度は、みずから求めて心を貧困にするようなものである。どんな賢人でも、その人ひとりの知恵には限りがあって、だから自分の知恵才覚だけで事を運べば、考えがかたくなになる。視野がせまくなる。
世のなかのあわただしさに追われて、事を急ぐあまりに、ともすればひとりの知恵、ひとりの判断で事を処しがちなきょうこのごろである。
しかしやはり、他人の言はよく聴きたい。どんな人の言葉も、どんな人の考えも、それが真剣であればあるほど、身をのり出すほどの思いで、よく聴きたい。一人よりも二人に、二人よりも三人に、できるだけ多くの人から、できるだけ多くの話を聴いて、そしてわが身を養い、わが知恵を誤りなくゆたかにしたい。
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出典:松下幸之助著「続・道をひらく」(PHP研究所)
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