「なんまん、なんまん、ありがとう」(3)
💖稲盛和夫著「心。」P047より ※画像は本文とは関係ありません。
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ことあるごとに私が口にしてきた
「感謝の言葉」(つづき)
「坊やには、今日のお参りで仏様のお許しが出た。今後はもう来なくていい。ただ、これからは毎日、『なんまん、なんまん、ありがとう』という念仏をかならず唱えて、仏様に感謝の思いを伝えるようにしなさい」
あれから80年近くがたったいまでも、ことあるごとに――朝、顔を洗いながら、ふとわけもなくすばらしい幸福感に包まれたときや、おいしい食事をいただいたときなどに――「なんまん、なんまん、ありがとう」という言葉が耳によみがえり、祈りのつぶやきとなって口をついて出てきます。
この言葉を心に埋め込んでいただいたことは、私の人生にとっての大きな財産になりました。いつも感謝する心の大切さ、それを口に出して唱える大切さを、あのときのお坊さんは幼い私に伝えてくれたのです。
さして特別な才能ががあるわけでもなく、若いころには挫折ばかりをくり返していた私が、経営の世界でそれなりの仕事をすることができたのは、この言葉を知っていて、つねに感謝の思いを口にしていたからかもしれません。
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出典:稲盛和夫著「心。」(株式会社サンマーク出版)
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