みんないっしょで、みんなちがう
💖松下幸之助著「続 道をひらく」P212より ※画像は本文とは関係ありません。
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みんないっしょ
眼と鼻と口と耳と、顔の造作は誰でもみないっしょで、その並び方も大体みないっしょ。
眼の下に鼻があって、鼻の下に口があって、みんなそれで顔のまとまりができている。眼の上に鼻があればこれはお化け。そんな人はこの世にいない。
そのくせ、世界に30億の人が居れば、30億人ともみな顔がちがう。
造作も配列も大体同じなのに、ほんのわずかの微妙な変化が、これだけの大へんな数のちがいを生み出しているのである。
顔だけではない。同じ人間である限り、自分も他人も顔の造作が大体同じであるように、心の働きも、人によって、もともとそんなに大きなひらきのあるものではない。
みんないっしょ。そのくせ、ほんのわずかの心がけのちがい、考え方のちがいで、人を幸せにもし、不幸にもする。その差はまた天地ほどもあると言えよう。
みんないっしょであって、しかもみんなちがう。これが自然の理であり、また人の世というものであろうか。
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出典:松下幸之助著「続 道をひらく」(PHP研究所)※1978年1月1日第1版発行
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