見方を変える心の広さを持つ
💖松下幸之助著「道をひらく」P166より ※画像は本文とは関係ありません。
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見方を変える
富士山は西からでも東からでも登れる。西の道が悪ければ東から登ればよい。東が険しければ西から登ればよい。道はいくつもある。時と場合に応じて、自在に道を変えればよいのである。一つの道に執すればムリが出る。ムリを通そうとするとゆきづまる。動かない山を動かそうとするからである。そんなときは、山はそのままに身軽に自分の身体を動かせば、またそこに新しい道がひらけてくる。
何ごともゆきづまれば、まず自分のものの見方を変えることである。案外、人は無意識の中にも一つの見方に執して、他の見方のあることを忘れがちである。そしてゆきづまったと言う。ゆきづまらないまでもムリをしている。貧困はところから生まれる。
われわれはもっと自在でありたい。自在にものの見方を変える心の広さを持ちたい。何事も一つに執すれば言行公正を欠く。深刻な顔をする前に、ちょっと視野を変えてみるがよい。それで悪ければ、また見方を変えればよい。そのうちに、本当に正しい道がわかってくる。模索の本当の意味はここにある。そしてこれができる人には、ゆきづまりはない。おたがいにこの気持ちで、繁栄への道をさぐってみたいものである。
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出典:松下幸之助著「道をひらく」(PHP研究所)
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