不安がる心が不安をつくる(1)
💖ひろ さちや著「『ずぼら』人生論」P112より ※画像は本文とは関係ありません。
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不安をなくそうとするから、
ますます不安になる
現代人の脳裏にもっとも頻繁に浮かぶ言葉と言ったら何でしょう。
おそらく、「不安」だと思います。
景気が低迷を続けるなかで、ちっとも先行きが見えない不安、親の介護についての不安、年金の不安、医療の不安、子育ての不安……。
いちいちあげていたらきりがありません。どこを向いても不安だらけ。不安に囲まれて生きている、というのが、現代人の偽らざる実像なのかもしれませんね。
しかし、不安とはいったい何でしょう。
インドから中国に禅宗を伝えた達磨大師と弟子の慧可(えか)のあいだの、こんな逸話が伝わっています。※(えか)は追記
慧可が達磨大師のもとにやってきて、「わがために心を安んぜよ」と言います。心に不安ばかりがきざして、少しも安らかになれないから、自分のために心を安らかにしてください、というわけです。
達磨大師はこう答えるんですね。「心を持ちきたれ、汝がために安んぜん」。だったら、おまえの心を持ってきなさい、そうしたら安らかにしてやろう、ということです。
(つづく)
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出典:ひろ さちや著「『ずぼら』人生論」(株式会社三笠書房)
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