「たいへんねぇ」で救われる
💖和田秀樹著「ほめ言葉の力」P150より ※画像は本文とは関係ありません。
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落ち込んでいる人は、
「たいへんねぇ」のひと言で救われる
大手洗剤メ-カーの消費者窓口で、クレームや問い合わせに応じている女性責任者がいます。神経をすり減らすことの多いつらい仕事ですから、若い女性スタッフの中にはユーザーの厳しいクレームに精神的に落ち込んでしまう人も出てきます。
女性責任者は、スタッフのそんな様子を感じ取るとスッと近寄って、笑顔を浮かべたままで声をかけるそうです。
「たいへんねぇ。辞めたくなっちゃったでしょう」
このひと言で、落ち込んでいたスタッフは救われたような気持になるといいます。仕事のつらさをいちばん知っている上司が、自分の気持ちをちゃんとわかってくれている。そう思っただけでうれしくなるからです。
励ましの言葉は、「頑張ろう」とか「負けちゃダメだよ」といった強い言葉でなくてもいいのです。気持ちの落ち込んでいる人にとって、自分のつらさや悔しさをちゃんとわかってくれる人がいるというだけでも、救われます。
むしろ、「みんなつらさを乗り越えてきたんだよ」とか、「わたしにも同じようなことがあったのよ」と励まされても、ほんとうに苦しんでいるときにはかえって負担になることがあります。
「でも、わたしにはとてもムリだ」と感じてしまい、挫折感さえ持ってしまうからです。
そういうときにはむしろ、力の抜けるようなふんわりした言葉のほうが嬉しく感じられます。人をほめるという感覚からはずいぶん遠いような気もしますが、平凡ないたわりの言葉にも大きな力が秘められているのです。
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出典:和田秀樹著「ほめ言葉の力」(株式会社新講社)
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