自分を忘れる

💖境野勝悟著「道元『禅』の言葉」P78より  ※画像(生成AI)は本文とは関係ありません。
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時には考えることをやめてみる

自分を忘れる、という感覚
人間は、朝から晩まで、いいか悪いか、プラスかマイナスか、好きか嫌いか、損か得か、気に入るか気に入らないか、親と子、男と女というように、すべての物事を二つに分けて、頭の中でグルグル考えつづけて生きている。ものを考える、ということは、すばらしいことだ。事がらを二つに分別し、言葉を使って考えられることは、人間の偉大なる特権である。
人間の不幸は、その特権に深入りしているうちに、言葉もなく考えもなく活動している大切な宇宙の生命の世界が、まったく見えなくなってしまうことだ。
そこで、道元は、「自己を忘れなさい」と喝破する。つまり「グチュグチュ、グチュグチュ頭の中だけでものを考えて、その深みに入って、悩み苦しんでいる自分を、たまには、すっぽりと忘れてみたらどうか」……と。世の中のあれこれうるさい考えを、ぽいと飛び越える。自分の我意識を忘れると、自分の中に生きている宇宙の生命が発見できる。宇宙の力から見れば、人の考えなんて知れたものじゃないか。
故を

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出典:境野勝悟著「道元『禅』の言葉」(株式会社三笠書房)
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