気にするなと言われても・・・

💖小橋邦彦著「自分を育てる言葉  愛語よく廻天の力あり」P54より ※画像は本文とは関係ありません。
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気にしても  苦にしない

世間では、あることに困ったり悩んだりしている人に対して、「よくそんなこと気にするな」という。しかし、気にするなといわれても、当人はすでに気にしているのだ。もはや、気にしているという厳然たる心理的事実がある以上、第3者がいくら「気にするな」となぐさめてみても、あまり意味のないことである。「気にしなくてもすむのなら初めから気にしてないわい!」と反発されるぐらいがオチである。そんな思いの私が出会ったのが、この言葉だった。「気になるのなら大いに気にすべし。しかし苦にするなよ」と。
そういえば、昔、マヒナスターズも『夜霧のエアー・ターミナル』で唄っていた。「悲しい時には思い切り悲しむそこに夢は咲く……」と。気になるのならそこを大いに気にすべし。しかしソコは底だ。底をつけば、いやおうなしに気が晴れるさ。この言葉が、それ以後、どれほど僕の気持ちを救ってくれたことか。
第3者からたとえ自意識過剰といわれようと、気になるものは仕方がないや。だが、ッとなってもでとめてまで進まないように、決意したことだった。といってもまだ100パーセント実行できているわけではないけれど……。
ここまでいってもまだご納得いただけない方、どうしても気にも苦にもされる方には「九(苦)がすぎてはじめて十(充)になるのだ」という言葉をプレゼントしておきたい。

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出典:小橋邦彦著「自分を育てる言葉  愛語よく廻天の力あり」(産能大学出版部)